2011年8月30日火曜日

「幸せの経済学」の舞台、ラダックの変化を肌で感じる7日間ツアー!

ラダックの秋、観光だけにとどまらない、自分たちの「暮らし」を見つめ直すチャンスとなる10月開催のツアーを紹介させていただきます。

「懐かしい未来」の著者、ヘレナ・ノーバーグホッジさんが作った2作目のドキュメンタリー「幸せの経済学」を日本で配給しているユナイテッド・ピープル社によるツアーです。このツアーを私たちもストックでお手伝いさせて頂きます。

「幸せの経済学」の舞台、ラダックの変化を肌で感じる7日間ツアー


このドキュメンタリーをもうご覧になったでしょうか?正直、私はまだダイジェスト版しか見れていません。多くの反響があり各地で上映されているようですね。

グローバリゼーションではなく、今こそローカリゼーションだというこのメッセージを上手に受け止めて、自分の暮らしを今一度見直したり作り直していくということはきっと大切なことでしょう。私もわざわざラダックに移り住んでここでの暮らしを学んで実践しているのも、そういう「暮らし」をしっかり作っていくためでもあります。

ここラダックで現在起きている発展やそれに伴う変化は、確かに旅行者の方でも見て取れるほど分かりやすく起きているとも言うことができます。その深刻さをここに住みながら感じずにはいられないのも事実です。ただ、私のような文明に依存した生活を営んでいる日本人からすれば、その発展めざましいラダックの今を見ても、まだまだ伝統的な暮らしや知恵や人々の生き様から学ぶべきことは多いと思っています。

しかし、日本が、日本人が歩んできたのと同じように、新しいものを取り入れる過程で多くの伝統的なものを捨ててきているラダックを見て、確かにいや、もっとこれは大事にしたほうがいいとか、いや、これは捨ててはいけない文化だ、などと思ってしまうし、また言うことは簡単なのですが、物事はそんなに単純ではないことも同時に感じずにはいられません。非常に複雑にさまざまなことが絡み合ってこの事態は起きているのだと思います。

私はラダックを一方的に美化するつもりはありません。しかし、今まさに伝統的なその暮らしを失いつつあると言って、まるでラダックをグローバリゼーションにさらされた悪いケースだと位置づけもしていません。この状況はまさに日本の数十年前であり、世界中のどこでも起きてきた、または進行形で起きていることだと思っています。誰でもどこでも、本来の文化を失って行く中で、自分のアイデンティティーをどうやって確保するのか、どうやって形成していくのか、そういったことに関わる悩みを抱えているのだと思います。

もし、ここで起きていることに少しの時間でも寄り添うことができ、そして日本人として自分の経験をもってラダックの人々に伝えられることがあるのなら、どうか言葉にして伝えてあげてほしいと思いますし、日本人もラダッキーも、それぞれの場所でどうしたらよりよく暮らしていけるのかを考える、前向きな時間となることを願っています。

大麦の刈り取りが始まっていま~す。



黄金色に輝く大麦畑。牛やゾも見えます。
雲に覆われたここ2日間ですが、作業にはちょうど良い天気です。

手で刈り取ります。大麦のヒゲはトゲのように刺さるので、
ウィンドブレーカーやフィールドパンツが有効!

ラダック語でゾラという鎌。
切れが悪くなったらその辺にある石で研ぎます。

刈り取った大麦運びの要はロバ。
でも、くせ者の頑固なロバは私たちを悩ませま~す!

ストックでは8月中旬からオルという家畜用の牧草の刈り取りがはじまり、そっちが終わる前からアブラナの刈り取り。そして、8月も終わるここ数日は大麦の刈り取りが始まりました。

最近ではすっかり黄金の大麦畑になっていたのですが、そこに人が入ってゾラと言われる鎌で手で刈り取りをします。と、言うのは簡単ですがこれはそれなりにハードな仕事です。広い畑が何枚もあり、全部手で刈り取るのですからそりゃまあ大変です。そして刈り取った大麦を自宅の目の前の畑までロバに乗せて運ばせます。いつもの事ながら、このロバもくせ者でけっして簡単ではありません(苦笑)あっちに逃げたりこっちに逃げたりしてしまうのですから~。

今日は8人ほどの刈り取り作業員に来てもらいました。この人たちはラダックの人々ではありません。インドはビハールやネパールからの出稼ぎ労働者の人たちです。こんなにたくさん呼んだのかと驚いてしまいましたが、正直言って現在のラダック、農業従事者の人手不足です。みな自分の現金収入の方の仕事があって、農業にばかり取り掛かれないのです。ですのでこういう農繁期というか刈り取りのように一気にやってしまいたい仕事の場合、労働者の人に賃金を払ってやってもらうのが最近の主流なのです。

今日は、ここ数日間の晴れ間がまたも崩れて雨もちらつく天気でしたが、かえって作業には好都合で暑くもないよい気候となりました。明日もまだこの作業は続きます。また写真が撮れたらアップします。

2011年8月25日木曜日

花凜、ロバのお世話をする?してもらう?

楽しそう~!ロバに乗ってはしゃぐ花凜!

お父さんがちゃんとそばについてますよ。
いつ振り落とされるかも分かりませんから~。

朝の家畜のお世話で、少し離れた場所にある畑にロバたちを連れて行くのですが、かりんもすっかりお手伝い?してくれます。というか、一緒に行きたがるのですね。
決して全部歩いてくれないのですが、時々はこうやってロバに乗せて。またはおんぶや抱っこをせがまれて・・・。
こんな調子で馬にもよく乗せてもらっていますよ。子どもって小さいから乗せるの簡単だんですよね。うらやましい。私も毎日でも乗りたいくらいです~。


2011年8月22日月曜日

お客様レビュー2「ストック峠越え」

8月に4900mの「ストック峠」を制覇したトレッキングのお客様より、レビューが届きましたのでご紹介させていただきます。


お客様より(女性)
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ラダック滞在5日目、高度順応が心配でしたが無事に4900mのストック峠を越えるトレッキングを制覇することができました。
ラダックの大自然の中でのトレッキングは、日本では味わえないスケールの大きさ、自然の美しさを味わうことができ、感動の連続でした。

スタート地点であるジンチェンでは、ブルーシープの群れに遭遇!
ラッキー(今回はこの1回だけでした)!
私たちをお見送りしてくれていたのでしょうか。
そこから川を渡ったり、ティータイムを楽しんだり、美しい山道を歩いて2時間ほどでルムバク村に到着、ここで1泊。
ホームステイ先では、夕食や朝食のお手伝いもさせてもらいラダックの暮らしを味わうことができました。
翌早朝、ストック峠を目指してルムバク村を出発。
頂上までは歩いて約4時間。
高山のせいか、歩くとすぐに息切れしてしてしまい苦しいときもありましたが、山道を登っていくたびに雰囲気が変わる美しい山々と華麗な高山植物に癒され、ワンボのフォローのおかげで、
なんとかストック峠まで歩くことができました。
最後の数メートルは急勾配で、本当に辛かったです・・・。
登頂した瞬間、感動して目には涙が溢れ・・・。

峠からストック村までは、その感動に浸りつつ、また緑美しい山道を歩いて、ゴール。途中、トントン峠にも行きました。とーっても、とーっても充実したトレッキングでした。

ストック村では、にゃむしゃんの館にホームステイ。
とても居心地がよかったです。
伝統的なラダック料理が、美味しかったです!

翌朝に次の予定があり、あまり時間がなかったのが残念ですが、また来たいです。
次はゆっくり滞在して、山でキャンプも楽しみたいです。
ありがとうございました。
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本当にお疲れ様でした。決して楽に登った訳ではない事がよく伝わってきます!日本でトレッキングをはじめて1年未満くらいとのことでしたが、その持ち前の体力と根性で見事に乗り切ったのですね。またラダックにそすてストックに来てゆっくりしてくださいね。お待ちしています!
(池田)

お客様レビュー1「ストック峠越え」

8月に4900mの「ストック峠」を制覇したトレッキングのお客様より、レビューが届きましたのでご紹介させていただきます。


お客様より(20代後半・男性)
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ラダックでは大変にお世話になりました!
おかげさまで、短期間にも関わらず、大満足のトレッキングになりました。
どこを歩いても常に絶景で、すごくピースフルで、頭をからっぽにして幸せを感じながら歩くことができました。
ラダックの山は本当に素晴らしいですね(ワンボさんは、日本の山の方が色んな景色があって好きと言ってましたが(笑))
そして、ワンボさんのガイドにも大変お世話になりました。
適度な歩くペースも、コミュニケーションの距離感も(ほっとかれすぎず、ほっとかれなさすぎず)、優しい様々なフォローも、ありがたかったです。
足場が悪くて戸惑っている際も、いつも近くで手助けをしてもらって心強かったです。
ストレス全くなく、トレッキングを満喫することができました。
何より、優しい人柄で、安心できました!
また、ルンバク村でのホームステイも貴重な体験になりました。
家の造り、電気をあまり使わない暮らしぶり、トイレ、食事、水etc…。
そして、素朴なラダッキの人たちと、コミュニケーションができるのも興味深かったです。
高度については、運が良かったのか、ほとんど気になりませんでした。
ゆっくり歩いたのがよかったのでしょうか。
僕にとっては良い意味でちょうどよい、やりがいのあるトレッキングになりました。
これ以上簡単だと物足りないだろうし、これ以上難しいともうちょっと覚悟と準備が必要だなと。
楽しいこと盛りだくさんで、大満喫でした。
トレッキング終了後は、にゃむしゃんの館でも大変にお世話になりました。
池田さんの美味しい食事と、子猫で、疲れが癒されました。
ただ、本当は、せっかくストックに滞在させてもらったわけなので、
村を歩いたり、ラダッキの暮らしぶりを、もっと味わいたかったというのもありましたが、
トレッキングの疲れと、時間の問題で、ちょっと難しかったですね。
次ラダックを訪れた際には、また是非泊まらせてください!
今回2度目のラダックに行ってみて(短期間でしたが)、やっぱり最高だなと思いました。
仕事の都合もありまた短期間になってしまうと思いますが、これから何度もいくと思います。
その際は、またお邪魔させていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いします!
(そして、いつかストックカングリに挑戦したいです)
ストックでの暮らしは、大変なことも多いと思いますが、
お体に気をつけて、がんばってください!
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本当にお疲れ様でした。そしてこちらこそありがとうございました!
社会人の方にとって貴重な夏休み、しかも短期間のラダック滞在でこのトレッキングに挑戦されて、見事にやりきったことには本当に驚かされました。
また次回はストック・カングリでしょうか!?ラダックを再び、いえ、三度訪れてくださるのを心よりお待ちしています!
(池田)

2011年8月14日日曜日

【募集】大自然を満喫する贅沢な6日間の旅!

NEO-LADAKHがお届けする盛りだくさんツアー!
★ ラダックの大自然と素朴な暮らしを満喫する贅沢な6日間の旅!★


【日程】 (ラダック現地集合、現地解散)

9/18 日  レー集合 街散策と高地順応 
      (レーのゲストハウス泊) 


9/19 月  レーの街散策&アルチゴンパ、バスゴ・ゴンパと城跡見学 
      (ストック、にゃむしゃんの館泊)


9/20 火  ラダックの暮らしを知る「コミュニティー・ツアー」
      ストックで農業体験や家畜の世話もできます 
      (ストック、にゃむしゃんの館泊)


9/21 水  美しい「パンゴン・ツォ(湖)」への日帰りの旅! 
      ティクセゴンパにて早朝のお祈りを見学してから行きます
      (ストック、にゃむしゃんの館泊)

9/22 木  ルンバク村からストック峠を越えるトレッキング
      素朴な暮らしに触れるホームステイ! ◎1日目
      (ルンバクにてホームステイ泊)


 行程;ストック~ジンチェン(車で約1時間の移動)
    ジンチェン~ルンバク(約2時間のトレッキング)
    オプションでユルツェ村まで往復約2時間のトレッキングも可  


9/23 金  ルンバク村からストック峠を越えるトレッキング
      素朴な暮らしに触れるホームステイ! ◎2日目   
 
 行程;ルンバク村~ストック峠 4900m (約2~3時間)
    トントン峠~スチャンマ(約2時間)
    スチャンマ~トントン峠立ち寄り~ストック村(約3時間)
    ツアー最終日のパーティー(ストック、にゃむしゃんの館泊)


9/24 土  朝食後ストックで解散  
     


【見どころ】
●ラダック唯一の街レーに宿泊することにはじまって、街の様子を味わってから車で移動してアルチゴンパの歴史的な素晴らしい壁画を見学。更にバスゴの小高い丘にあるゴンパと城跡を見学します。


●その後、ストックに入って村の生活に触れるコミュニティーツアーやワークショップなどをご体験いただきます。農作業の進捗具合にもよりますが実際の農作業のお手伝いもできます。


●次に日帰り可能なパンゴン・ツォの見学です。新しく外国人に入域が許可されたメラックという村まで足を伸ばします!標高が4000m以上になるので、翌日のトレッキングのためにも高地順応として効果的でしょう。


●高地に慣れてきたところで山に触れられるようトレッキングを盛り込みました。村の家族数7、8軒という素朴で小さな村にホームステイしてその暮らしぶりに触れます。翌日はいよいよストック峠超えです。めまぐるしく変わる景色、その素晴らしさに魅了されること間違いないでしょう!

●そしてストックに到着後、お疲れ様パーティーです。そして翌日の朝に解散となります。






【お問合せ】


内容のさらなる詳細や費用につきましては、お気軽にお問い合わせください。
9月の半ばと日程が間近になっていますので、できるだけ早くお答えできるように努めます。

マナリ~ラダック間の陸路でバスの事故発生

今日は久しぶりにレーに来ることができ、ネットと買出しという予定だったのですが、急きょ、レーのバザールが全て閉じてしまいました。マナリーロードでバスのスリップと転落と見られる事故が発生し、現段階で19人の死者が出ているとの情報が入ってきました。ラダックの文化的プログラムのために出かけたラダックのグループのバスだったということです。

大変残念なことに、そのグループにストックの同じコミュニティーというか、うちの隣の家の女の子が同行しているのです。彼女はラダックのローカルな映画にて踊りと歌のシーンにも踊り手として出演していたりする子です。今回もその仕事として行ったようなのですが、現状で安否が分からないので心配しています。一昨日くらいに、ふと彼女のことを思い出し、最近会わないけどどうしたのかなぁと思っていたばかりでした。

昨日、ラダックでも降った雨と山のほうで降った雪。この影響で道路のコンディションがよくなかったのかもしれません。コンディションさえ悪くなければ、この陸路は本当に美しい絶景の中をいく道なのですが・・・。
まだはっきりとした情報が入ってきていないのですが、とにかく、少しでも犠牲者が少なくなるよう祈っています。

ルンバク~ストック・ラ(峠)4900mを制覇~!

またもやお客様のトレッキングの報告をさせて頂きますね。

先日、ジンチェン~ルンバク~ストック峠を越えてストックに至るというこのトレッキングに挑戦されたお客さまが、見事に峠を越えて4900mを制覇してこられました!

ストック・ラ(4900m)を制覇した喜びのポーズ!
苦労して登ったので峠に着いたとたん、
感動して涙がこぼれたそうです・・・!!お疲れ様でした~。

峠付近から見える景色です!ティクセ方面のインダス河周辺です。


峠より下山しはじめたところ。
乾いた大地に茂る緑が美しい・・・。

いつも美しいルンバクの村。
雲が大きな影をつくっていて山の色を変化させます。

山と密着したルンバク村。放牧された牛も愛おしいです。


天候にも恵まれたこの日、トレッキングももちろんですがルンバクでの素朴な村の暮らしに触れるホームステイと、ストックでは「にゃむしゃんの館」でその疲れを癒し、めいいっぱいラダックの山とその伝統的な暮らしを満喫されていきました!

お客様は日本から来られた若い女性と男性のお二人です。日程の調整がつきましたので、それぞれ個人のお客様でしたが同行して頂くことになり賑やかになりました。ガイドはお馴染みワンボです。短いラダック滞在の中で組んだこのトレッキングの日程、正直、どこまで高地順応できるかが心配されたのですが見事に成功しました~。おススメした甲斐もあり、私も本当に嬉しいです。いやあ~、良かったですね。

NEO-LADAKHでは、時に厳しい部分も見せる大自然の山で安全にトレッキングできるよう、しっかりサポートさせて頂きます。また、トレッキングのみならず、トレッキングルート上にある小さな村々でのホームステイで、ラダックの伝統的な暮らしに触れられるようめいいっぱいガイドもさせて頂いています。もちろんキャンプで体験する大自然という醍醐味もありますので、お好みに合わせてアレンジ可能です!

みなさんのラダック滞在がさらに素敵な時間となるよう、大自然との触れあいをお手伝いいたします!どうぞ、このトレッキングにご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

2011年8月8日月曜日

祝、ストックカングリ(6123M)登頂成功!!

ストック・カングリ6123m、登頂成功!!
おめでとうございま~す!

山頂付近。雪をかぶりこんな傾斜です。

ベースキャンプをゴレップカングリの方から見下ろしたところ。
身体慣らしに登ったのですが、けっこう高いですよね。
たくさんのテントが豆粒状態です。

今回のスタッフ大集合!こんあチームで行きました~。
見えずらいですが後ろには荷馬もいますよ。大切なメンバーです。

初日にキャンプしたマンカルモ(ロウアーベースキャンプ)。
美しい大自然を満喫できます!

トントン・ラ(峠)にてストックカングリに向けて意気込んでいる二人です。

7月31日から8月3日にかけて、トラベルエージェント:neoladakhとして初めてのストックカングリ登山のお客様をお迎えして山に入ってきました!
お客様は日本から来られた20代の男性の方です。今回の登山をお手伝いさせて頂いたのはガイドを務めるのワンボ、調理担当に、いつもはガイドも務めている一番下の弟のロートス、そして馬方には親戚のプンツォック叔父さん、荷運びの馬たち、そしてヘルパーとして私が同行させてもらいました。
天候にも恵まれ、予定通りの日程でキャンプをしながら徐々に標高上げていきました。初日はロウアーベースキャンプまで歩みを進め、午後にはテントを張ってゆっくりと体を高度に慣らし、夜には美しすぎるくらいの星空を見上げて興奮と感動。2日目はアッパーベースキャンプまで歩みを進め、準備運動としてゴレップカングリの残雪地帯より下辺りまで登ってみました。ここで標高が5400mくらい。そして早めに夕食を食べてから仮眠をとり、深夜1時にアッパーベースキャンプ(4900m)より山頂に向けてアタックをかけました。
今まで順調だった天候が若干崩れて深夜の出発時には雪がチラついてしまいました。それでも風がないので体感的な寒さはなくほっとしました。ヘッドライトの明かりを頼りに足場を確認しながら歩きました。氷河地帯にさしかかり、ガイドのワンボとロートスが慎重に道を選びます。氷や雪が解けた水が流れる裂け目を何度もジャンプして越えました。こうしてどうにか氷河地帯を抜けて今度は雪の急な斜面の登りが始まりました。今年は例年になく雪が解けていると聞いていましたが、4年前の登頂で私が記憶していた雪の量よりも本当に少なく驚かされました。詳しくは分かりませんが温暖化の影響なのでしょうか。その為アイゼンを履くタイミングも以前よりも高い位置で行いました。
この雪の斜面が終わる頃ちょうど夜が明けてきました。数時間かけて登ったので標高もあがり、ちょうど苦しくなる頃です。この辺りから私は腹痛に襲われ始め苦しくなってきました。お客様はやはり呼吸が苦しく感じると言いながらも歩みは着実に進めていました。
辺りが明るくなってきて回りの景色が見えてきました。こんなところまで登って来たのか~と後ろを振り返り確認。もう、富士山で言えば八合目といったところでしょうか。この頃、私は寒さにやられたのかお腹を壊し始めていました。あげく胃痛にも襲われていました。私は高山病らしき症状として頭痛はまったくでないのですが、胃痛にくるタイプなのです。(前回の登頂時もそうでした)徐々に自分だけペースが落ちてきてしまいました。これは正直言えば想定外の展開でした。前回登頂しているので可能だと思っている節があったのです。
ワンボとロートス、お客様は通称「ショルダー(肩)」と言われる山頂に続く稜線の始まりまで辿り着いていました。ここで標高は5900m。残すは標高で言えば200m。あともう一踏ん張り登れば山頂というところです。私は何度も止まりながら呼吸を整え、そしてお腹の痛みが過ぎ去るのを待っては歩きましたが、ふと気がつくと歩きながらも一瞬寝ているような感覚がありました。これはヤバイかも…。気がつけばものすごい眠気が襲ってきています。高山病なのか胃痛対策で先ほど飲んだ薬の影響なのか分かりません。フラッと倒れては危ないと思って座って休むと今度はなんと、座りながらうつらうつらと眠っていたようで何度となく短い夢を見てしまうのです。何かこれはまずい感じがしてきました。今まで経験したことない感覚でした。そんな痛みと眠気を抱えてどうにかショルダー(肩)まで辿り着いたのですが、先を急ぐワンボとロートスとお客様には私を置いて行ってもらい、いったん休憩することにしました。とはいえ、かなり強烈な眠気に襲われている上に腹痛が異と腸にあり、このまま登っていくことは困難だと自分でも分かりました。悔しいのですがここは身の安全のために下山するのが正しい判断だろうと、半分朦朧とした意識の中で決めました。ましてや、前回の登頂の経験上、このショルダーからこそが本当にきついのを良~く知っています。この身体の状態では決して登れないだろうと思いました。ああ、悔しいがこれが現実です。あとは安全に一人で下山するのが自分の任務となりました。
ワンボたちとお客様は一番厳しいその登りを着実に進めていました。下からその姿がしばらく見えたので何度も確認しました。お客様から後から聞いたところによると、本当に10m歩いては休み、歩いては休みと頑張って登っていったそうです。時には両手のストックに身体を預けては呼吸を整えたりもしたそうです。でも、ここまで来ればあとは根性で登るのみ!強い精神力と負けない身体がその頂に向かってあと一歩のところまで達し、いよいよ山頂に~!登頂成功~!おめでとうございま~す!
最後の最後、やはり山頂のタルチョックの旗がみえていても、なかなか辿り着かない感覚だったそうです。私もそうだったのをよく覚えています。山頂ではこちらで用意した祈りのタルチョックをお客様に掲げてもらいました。何とも言えない喜びと感動があったそうです。6123mの山の頂はどんなにか気持ちのよいものでしょうか。風になびくタルチョックとそこから見える景色に、胸が熱くなったことでしょう。本当にお疲れ様でした!
私も自分はさて置き、何よりお客様に登頂成功していただくことが一番望んでいたことですので本当に嬉しいです!neo-ladakhとして、記念すべき初のストックカングリ登山のお客様が登頂に成功されたことは、お客様の登山を支えることに全力を注いできた私たちとしては本当に本当に嬉しいことなのです。本当におめでとうございます!そしてお疲れ様でした~!
この喜ばしい登頂成功の便りを知って、多くの日本人の山好きな方に「自分も挑戦しよう!」と思っていただけたら、それもとっても嬉しいことです。日本人のストックカングリ登山の挑戦者や成功者は過去にもいらっしゃるのですが、その詳細を知るすべはあまりなかったかもしれません。ですので、具体的にこの山に挑戦しよう、と思う人も少なかったことでしょう。ストックカングリは本当にいろんな意味で魅力的な山ですので、どうかこの山を知っていただき、多くの方に親しんでいただきたいと思います。

ストックカングリ登山には、ストック村出身のスタッフが自信を持ってサポートしますので、ぜひNEO-ladakhにお任せください!ストックカングリは、いつでもあなたを待っています!来たれ!更なるチャレンジャー。私もまたいつか再挑戦しま~す!

2011年8月6日土曜日

登山より戻りました~

予定通り8/3にストックカングリ登山より戻っりました~。
いやぁ、またもラダックの素晴らしい山を満喫することができました!やっぱりストックカングリは本当に素晴らしい山です。そして、その登山はどうなったか!登頂成功できたのか~!
これについての報告は、また追ってさせていただきます。今、レーのネットカフェに来ていますが、ブロードバンドが動いていなく、写真のアップができないのです。時間を見てまた書きますのでお待ちくださいね。