2011年10月3日月曜日

夏のシーズン、ひと段落です。思えば・・・。

今年は春からうちの古民家の修理という大変な作業からはじまって、土木工事という肉体労働の日々から、徐々にいろいろと作り上げてホームステイを迎えられるにまで至り、そしてトラベル・エージェントとしても仕事をはじめて多くのアレンジをさせていただき、あっという間の春から夏を終えたような気がします。初夏、お盆、シルバー・ウィークという山場を越えて、9/30まであったもろもろのご予約がすっかり終了しました。そして今現在10/1から予約カレンダーは真っ白(苦笑)。いわゆる夏のシーズンというものは終わったのだなあと実感しています。

街もツーリストが減って、ゆえに車も減って、排気ガスも少なく、穏やかないつものレーに戻りました。こうして少しずつ、寒くなりつつあるラダックですが、まだ観光各所への移動もぜんぜん可能ですし、ちょっと朝晩の寒ささえ乗り超えられれば、むしろ穏やかな本当のラダックの姿に触れられるシーズンとなっています。夏の美しさとは違ったラダックの秋、初冬や真冬にむけての魅力を味わいにきてくださいね。


さて、夏のシーズンを終えて思えば・・・。
生活という意味ではなく、仕事として初めての夏のシーズンを終えて見て、春先には住める状態ですらなかった古民家で、自分たちの新しい生活の場として再スタートをきり、更にはお客様にも来ていただけるようになるなんて想像すらできなかったものでした。今では、自分でも心地よいその古民家での生活は、もちろんお客様にも喜んでいただけるものとなりました。本当に苦労して修理、復活させてよかったです。

正直、修理に入る前はワンボのおじいちゃん、おばあちゃんにチクチクと反対されて、しばらくはずっと小言を聞かされたものでした。実質的にもおじいちゃんの所有であるその古民家を修理することが、一瞬危ぶまれたりもしたのでした。どうやって説得したらいいのか、どうやったら古いものの価値を理解してもらえるのか、私たちの求めるものを理解してもらえるのか、本当に頭を抱えた日々もありました。当初は、修理するんじゃなくて新しい家を作れ作れと言われ続けたりも・・・。比較的理解のあった義母や叔父ですらも新しいの作ったら・・・といい始めたりして。もう無理だ、とさえ思ったものでした。そして、そのことに関する私とワンボの間での喧嘩、喧嘩、喧嘩。

ぶっちゃけ、完全な理解と協力を得られぬまま、私たちはたった二人で、10年以上使っていなかったこの家の大掃除からはじめることになったのです。苦労のさなかにいるとあまりそのことは書けないのですが、このように今や古民家の「市民権」を得たというか、そして私たちの生活の場となったことと、そして仕事にもなっていることが、やっと周囲に対して堂々と誇れるものとなったのです。

こうして、合計28人の方がこの夏のシーズン中に「にゃむしゃん」に泊まりに来てくださり、また観光やトレッキングを手配させていただきました。本当にありがとうございました。今のところ、お客様の9割が日本の方でしたが、英語での宣伝が行き届いていないにも関わらず5人の外国人の方もきてくださいました。さまざまな方とのゆっくり、じっくりとした交流が私たちにとっても楽しく、いろいろなお話をするだけで本当に世界が広がるような素敵な時間でした。まだ、特にお風呂などの設備もしっかりと整っていないのでご不便をおかけしましたが、お客様もできた方ばかりで(笑)、本当にこの不便さに絶えてくださったものでした。むしろ、そういう事をひっくるめて、にゃむしゃんでの滞在を楽しんでくださっている、そんな感じすらありました。これには本当に感謝でした。

一番人気だったとも言える私たちのスペシャル・プログラム「コミュニティー・ツアーinストック」では、多くの方たちにラダックでの暮らしを細部にわたって紹介したり、文化遺産に触れていただきました。多くの方が東北の津波・震災や原発事故以降の日本での生活に、何かヒントをもらったというようなことを言ってくださり、そっくりそのまま日本で実践するわけではなくても、暮らしについて考える機会を共有することができたことが嬉しかったです。これは私たちにとって、ただ生活の糧としての仕事という以上にもっとも大きな収穫と言えます。

そんな訳で、一区切りしていろいろ振り返ってみましたが、まだまだ改善すべきことも多いですし、作っていかなければならないものもいっぱいです。お客様からいただいたアイディアも多数あり、実現にむけてこれからも頑張っていきたいと思います。どうぞ、これからもよろしくお願いします!

0 件のコメント: