2011年3月10日木曜日

薪ストーブでお菓子作り

巡礼から帰ってきてからというもの、あの寒さの中でも、家の中ではある楽しみがありました。
それは、薪ストーブで作るラダック伝統のお菓子作りです。

我が家のストーブ。お湯を沸かす、調理、部屋の中の乾燥を防ぐのもお手の物。

この冬を乗り切るため、チュショット村にある加治屋さんにオーダーメイドして作ってもらったストーブです。最近、ラダックで流行のスタイルですが、仏教的なシンボルのデザインがないシンプルヴァージョン。デザインがあるともう少し高くなり、かつ仕上がり時間もかかるのでやめました。
しかし、すばらしい多機能ストーブです。3500ルピーだったかと。7000円くらいですね。

元々はラダックの伝統的なストーブがこのように多機能ですぐれものなのですが、昨今はあまり使用しなくなっています。それに代わってこの簡易ヴァージョンのストーブが使われるようになったようですが、可能な限りの利点を引き継いでもいるとも思います。

上の入り口に薪や糞を入れて、極めつけのケロシンをかけます。
残念ながらケロシンなしでは糞も薪も燃えつきが悪いのです。
標高が高いせいでしょうか??

薪を入れるところは格子状になっているので、下の引き出しに灰が落ちてたまります。いっぱいになったら引き出しを取り出して捨てられるようになっています。

その灰はトイレにぶちまけます。トイレはいわゆるボットン便所で、便に砂や灰をかけて処理する(穴に捨てる)のに使えるのです。そして、たまった便はもちろん畑の肥やしとして利用しますので、すべて無駄にならない循環がここにあります。

ちょうど使用している様子
 薪を入れる口の隣にはもう一つ引き出しがあって、ここがオーブンのようになります。
このようにお菓子を作るでもいいし、冷めてしまったパン類のものを暖め直すこともできます。

ちなみに、この引き出しの左側、ストーブの側面にあたる部分にも蓋があるのが分かるでしょうか。この蓋を開けると空洞になっていて、ここでも暖めが可能ですし、洋服などを乾かすことができます。真冬で凍ってしまう洗濯物も、小さければここが一番早く乾きます。
また、子どもがいるとオシッコなどのソソウでも大助かりですが、うっかり忘れると焦げます・・・。実際にこの冬はズボンを2枚焦がしてしまい、もったいないので雑巾にしました~。

これがラダックの小麦粉or全粒粉のお菓子プリー。
場所によっては違う呼び名もあるようです。

小麦粉や全粒粉にバターや油、砂糖、ベーキングパウダーを入れてこね、丸く形成します。
表面にナイフで模様をつけるのが特徴。

できあがり!
 焼くときは火をがんがんにして焼き上げます。狭い場合は部屋が熱くなるくらい。
ゴマや名産の杏の種を表面に埋め込んで焼いたりも。トッピングは見た目にも楽しくなりますね。ちなみに正確なレシピというものはありません。軽量カップなるものもないので、目分量で材料を入れますし、人によって味が違うので、どんな味に仕上がっているか人にもらうのが楽しみです。

こちらは、調子に乗っていろいろ形成を楽しんだ私ヴァージョン。
伝統を崩して?(笑)アレンジでいろんな形を楽しんでみました。ドーナッツ型やネジネジがおもしろかったです。ワンボの実家のおうちに持っていったら、子どもたちはいつもの形と違うので大喜び!しかし、おじいちゃんに一言こう言われました。
「ヒマだからってこんなんで遊んでまぁ。」 ・・・そんな皮肉たっぷりなお爺ちゃんが素敵なんです。

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