ストック・カングリ6123m、登頂成功!! おめでとうございま~す! |
山頂付近。雪をかぶりこんな傾斜です。 |
ベースキャンプをゴレップカングリの方から見下ろしたところ。 身体慣らしに登ったのですが、けっこう高いですよね。 たくさんのテントが豆粒状態です。 |
今回のスタッフ大集合!こんあチームで行きました~。 見えずらいですが後ろには荷馬もいますよ。大切なメンバーです。 |
初日にキャンプしたマンカルモ(ロウアーベースキャンプ)。 美しい大自然を満喫できます! |
トントン・ラ(峠)にてストックカングリに向けて意気込んでいる二人です。 |
7月31日から8月3日にかけて、トラベルエージェント:neo-ladakhとして初めてのストックカングリ登山のお客様をお迎えして山に入ってきました!
お客様は日本から来られた20代の男性の方です。今回の登山をお手伝いさせて頂いたのはガイドを務めるのワンボ、調理担当に、いつもはガイドも務めている一番下の弟のロートス、そして馬方には親戚のプンツォック叔父さん、荷運びの馬たち、そしてヘルパーとして私が同行させてもらいました。
天候にも恵まれ、予定通りの日程でキャンプをしながら徐々に標高上げていきました。初日はロウアーベースキャンプまで歩みを進め、午後にはテントを張ってゆっくりと体を高度に慣らし、夜には美しすぎるくらいの星空を見上げて興奮と感動。2日目はアッパーベースキャンプまで歩みを進め、準備運動としてゴレップカングリの残雪地帯より下辺りまで登ってみました。ここで標高が5400mくらい。そして早めに夕食を食べてから仮眠をとり、深夜1時にアッパーベースキャンプ(4900m)より山頂に向けてアタックをかけました。
今まで順調だった天候が若干崩れて深夜の出発時には雪がチラついてしまいました。それでも風がないので体感的な寒さはなくほっとしました。ヘッドライトの明かりを頼りに足場を確認しながら歩きました。氷河地帯にさしかかり、ガイドのワンボとロートスが慎重に道を選びます。氷や雪が解けた水が流れる裂け目を何度もジャンプして越えました。こうしてどうにか氷河地帯を抜けて今度は雪の急な斜面の登りが始まりました。今年は例年になく雪が解けていると聞いていましたが、4年前の登頂で私が記憶していた雪の量よりも本当に少なく驚かされました。詳しくは分かりませんが温暖化の影響なのでしょうか。その為アイゼンを履くタイミングも以前よりも高い位置で行いました。
この雪の斜面が終わる頃ちょうど夜が明けてきました。数時間かけて登ったので標高もあがり、ちょうど苦しくなる頃です。この辺りから私は腹痛に襲われ始め苦しくなってきました。お客様はやはり呼吸が苦しく感じると言いながらも歩みは着実に進めていました。
辺りが明るくなってきて回りの景色が見えてきました。こんなところまで登って来たのか~と後ろを振り返り確認。もう、富士山で言えば八合目といったところでしょうか。この頃、私は寒さにやられたのかお腹を壊し始めていました。あげく胃痛にも襲われていました。私は高山病らしき症状として頭痛はまったくでないのですが、胃痛にくるタイプなのです。(前回の登頂時もそうでした)徐々に自分だけペースが落ちてきてしまいました。これは正直言えば想定外の展開でした。前回登頂しているので可能だと思っている節があったのです。
ワンボとロートス、お客様は通称「ショルダー(肩)」と言われる山頂に続く稜線の始まりまで辿り着いていました。ここで標高は5900m。残すは標高で言えば200m。あともう一踏ん張り登れば山頂というところです。私は何度も止まりながら呼吸を整え、そしてお腹の痛みが過ぎ去るのを待っては歩きましたが、ふと気がつくと歩きながらも一瞬寝ているような感覚がありました。これはヤバイかも…。気がつけばものすごい眠気が襲ってきています。高山病なのか胃痛対策で先ほど飲んだ薬の影響なのか分かりません。フラッと倒れては危ないと思って座って休むと今度はなんと、座りながらうつらうつらと眠っていたようで何度となく短い夢を見てしまうのです。何かこれはまずい感じがしてきました。今まで経験したことない感覚でした。そんな痛みと眠気を抱えてどうにかショルダー(肩)まで辿り着いたのですが、先を急ぐワンボとロートスとお客様には私を置いて行ってもらい、いったん休憩することにしました。とはいえ、かなり強烈な眠気に襲われている上に腹痛が異と腸にあり、このまま登っていくことは困難だと自分でも分かりました。悔しいのですがここは身の安全のために下山するのが正しい判断だろうと、半分朦朧とした意識の中で決めました。ましてや、前回の登頂の経験上、このショルダーからこそが本当にきついのを良~く知っています。この身体の状態では決して登れないだろうと思いました。ああ、悔しいがこれが現実です。あとは安全に一人で下山するのが自分の任務となりました。
ワンボたちとお客様は一番厳しいその登りを着実に進めていました。下からその姿がしばらく見えたので何度も確認しました。お客様から後から聞いたところによると、本当に10m歩いては休み、歩いては休みと頑張って登っていったそうです。時には両手のストックに身体を預けては呼吸を整えたりもしたそうです。でも、ここまで来ればあとは根性で登るのみ!強い精神力と負けない身体がその頂に向かってあと一歩のところまで達し、いよいよ山頂に~!登頂成功~!おめでとうございま~す!
最後の最後、やはり山頂のタルチョックの旗がみえていても、なかなか辿り着かない感覚だったそうです。私もそうだったのをよく覚えています。山頂ではこちらで用意した祈りのタルチョックをお客様に掲げてもらいました。何とも言えない喜びと感動があったそうです。6123mの山の頂はどんなにか気持ちのよいものでしょうか。風になびくタルチョックとそこから見える景色に、胸が熱くなったことでしょう。本当にお疲れ様でした!
私も自分はさて置き、何よりお客様に登頂成功していただくことが一番望んでいたことですので本当に嬉しいです!neo-ladakhとして、記念すべき初のストックカングリ登山のお客様が登頂に成功されたことは、お客様の登山を支えることに全力を注いできた私たちとしては本当に本当に嬉しいことなのです。本当におめでとうございます!そしてお疲れ様でした~!
この喜ばしい登頂成功の便りを知って、多くの日本人の山好きな方に「自分も挑戦しよう!」と思っていただけたら、それもとっても嬉しいことです。日本人のストックカングリ登山の挑戦者や成功者は過去にもいらっしゃるのですが、その詳細を知るすべはあまりなかったかもしれません。ですので、具体的にこの山に挑戦しよう、と思う人も少なかったことでしょう。ストックカングリは本当にいろんな意味で魅力的な山ですので、どうかこの山を知っていただき、多くの方に親しんでいただきたいと思います。
ストックカングリ登山には、ストック村出身のスタッフが自信を持ってサポートしますので、ぜひNEO-ladakhにお任せください!ストックカングリは、いつでもあなたを待っています!来たれ!更なるチャレンジャー。私もまたいつか再挑戦しま~す!
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