2016年8月7日日曜日

ストックカングリの残雪状況と最近の全体的な天候について


◉ストックカングリの残雪

8月5日現在、頂上付近の残雪はまだあります。ただ、例年通り、解けているところも出てきていますが、現状では山頂アタック時、アイゼンは必要になっています。

◉今年の全体的な天気

昨年は、異常に雨の多い年でした。6月からずっと雨が降っていましたので、近年稀に見る状況となり、2010年の集中豪雨と洪水被害までは行きませんでしたが、各地で道路が寸断され、足止めを食らった人もいました。今年もそうなるのではと心配していましたが、6月からずっと、ほとんど雨が降っておらず、今のところ、状況は昨年とはかなり違っています。

もし、例年通りであれば、8月5日前後に大雨になることがあります。が、6日現在、今のところ降ってはいません。これ以降は、徐々に落ち着いていくにのですが…。今年はどうなるでしょうか。

また、雨はないですが、暑さはそれなりに厳しいです。暑さゆえ雪解けが進むと、場所により氷河湖決壊などの事態が起きる可能性や、カルドン・ラやチャン・ラなどの峠付近で雪解け水の影響が出て、交通に影響が出る場合があります。が、今のところ、雪解け水が道を阻むなど、特別な情報はありません。

先月、7月16日前後にようやく降った雨でインダス川はすっかり濁りました。その後17.18日にルンバクからストック・ラ4900mを越えるルートのトレックを手配しましたが、曇りの中を歩くには楽でよかったのですが、峠は雹が降り、峠を越えてからは土砂降りにあったそうです。ちなみに、その時はストック村では雨は降っていませんでした。山頂付近のみの状況です。

また、7月24日ごろ、今年初でストックの本流の川の水の白濁が発生しました。こちらはカングリの下のベースキャンプ、マンカルモより下の、チョルテンチャンという谷にあるモレーンの粘土質の土壌から来るものです。2012年にここから土石流が発生しました。幸い何の被害も発生しませんでしたが、この時は長雨により水分を含んだ土壌が緩んだ可能性が高いとのことでした。また、この時かそれ以前に氷河湖が決壊した可能性もあると、新潟大学の氷河による災害防止や調査をされている先生が報告してくださいました。

ストックでは、いつも白濁した水が流れて来る訳ではないので、暑さゆえチョルテンチャン方面の氷河が溶けて起きたと考えられます。また、2012年の時はもっと粘土みたいなグレーの水が流れてきたので、そこまでのことではありません。

すでに、もう大規模なものは発生しない可能性の方が高いと言ってましたが、今後も注意して観察します。今のところ、7月24日以降の水の白濁や変化はありません。

また、今年は風が強く吹いています。例年こんなに吹くことはありません。午前中晴天でも、午後には急に強風となることが多々ありました。ただ、8月に入ってからは、風も落ち着いた気がしています。今年の初夏は雨の代わりに風が吹いていた感じだったようです。

7月後半からは、暑さが一時和らぎました。多分インドが雨季に入った影響かと思います。ゆえに氷河が溶けるなどは、さほど心配はないかと思いましたが、8月頭、ここ数日はまた暑さが厳しいので、雪解けは進む可能性が高いです。川の増水などに注意したいです。


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