2011年12月2日金曜日

カルギル周辺で起きた事件について

昨日1130は、またレーのバザールが全部閉まってしまいました。
1128にカルギル周辺でイスラム教徒と仏教徒の間で事件が起きたことがその理由でした。カルギル周辺、具体的にはブートカルブで起きたという情報も入っていますが、
この地域では、慣行的にラダックのお正月であるロサルがレー地区の日程よりも一ヶ月くらい早く、今年は11月の終わりに祝われていたのだそうです。そして同じ頃、イスラム教徒(具体的にはバルティと言われるシーア派)のモハラムという行事があり、自ら身体を痛めつけて血を流したりするあの行事が行われていたとのことです。どういうことで争いが始まったのかは具体的には情報がないのですが、ロサルを祝っていた仏教徒に対してバルティが投石をして、数人の仏教徒が怪我をしたとのことでした。怪我の状態がシリアスであるという情報もあります。

これを受けて、30日はゴンパ・ソマで集会があり、多くの人が参加しました。LBA(ラダック仏教協会)は、一週間以内に警察なりの動きがないと今のこの状況では仏教徒とイスラム教徒の関係が悪化するだろうという発言があったとのことです。
この日、ピースマーチとして、ゴンパ・ソマからポロ・グラウンドまで歩き、「野蛮な行為はまかり通らない!」といったスローガンが叫ばれたとのことです。

ここラダックにいる者として、今まで自分がいる限りでは実際にこのような宗教的緊張は正直ありませんでした。水面下ではいろいろ事情が複雑であることは認識していましたが、こういった形で事件が起きたのは初めてのことです。ちょっと心配でもあります。30日の夕方に車で閉まりきったバザールを通りましたが、2030mおきくらいに警察が数人ずつ立って警戒していました。だべっている警察官からものすごい緊張感が漂っている訳ではないですが、一応、暴動などを懸念してのことと思うと、正直、それを見てかえって緊張感が走りました。

宗教的にはいろいろあっても、両者はどうにか共存しているのかなぁ、なんて思っていたのですが、でもやはり色々聞いていると、それでも両者の間には溝がある、と認識させられます。この件で更にその溝という事実、現実を突きつけられたのですが、このことで、何か大きな暴動や問題に発展しないことを心から祈っています。溝は埋められなくても両者が共存している今のこの状況を維持してほしいと。

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