ストックの住人として、年中行事の最重要イベントに出ずして日本にいるのは本望ではないのですが、今日と明日はストックを代表するお祭り「ストック・グルチェシュ」です。
このお祭りでは、チャムという僧侶による仮面舞踊ももちろんありますが、目玉は神降ろしの「ラバ」です。選ばれた二人の村人が、ラーという精霊を体内に降ろし精霊に代わってその力を見せつけたり、今年の作況やもろもろを占ったりメッセージを発するのです。また、そのラバや僧侶によって、ストックのそれまでの一年間の全ての悪いものを捨てる、つまり厄払いをする儀式が執り行われるのです。ストックをあげての最大のお祭りです。この日、村人は洋服を新調し、まるで日本のお正月のようにおめかしして出かけます。その認識の薄い私が、かりんにいつもの薄汚れた服を着せて連れて行こうとした時、なんでそんな服を着せていくのだと言われたのは当然でした・・・。私としては、みんなで服を新調したりして、なんかくすぐったいというか、いいよそこまでしなくて、みたいな気持ちになってしまうのですが、これは、ただのお祭り騒ぎではなく、身なりを整えて一年間の悪いものを捨てて再出発するという、立派な宗教行事なのでした。
昨年はワンボの叔父さんがラバの役を担っており、内心ドキドキしながら見ていました。精霊が宿っている状態の叔父に当然声もかけられず、ただただ見ておりました。今年は、その叔父はラバ役をやらなかったそうですが、また別の親戚が選ばれたとのこと。いやぁ、見たかったですねぇ。
昨年、それはそれは迫力のある動きをするラバに魅了されたのを思い出します。
写真撮影は硬く禁止されているので、絶対にカメラを向けてはいけないのですが、しつこい外国人観光客の一人が村の関係者に制止されてもなお撮り続けていたら、あげく、ラバから直々にお仕置き??をいただいたのでした。二人のラバは剣を振りかざしながらとにかく威勢よく走り回っているのですが、ずっと撮影し続けるその観光客に向かって、2階席のようになったところからその人めがけて?頭上から長い剣を振りかざしたのです。まっさかさまに地面に叩きつけられたその剣の音が響き渡り、会場がどよめきました。剣はその観光客に命中こそしなかったものの、さすがに自分のマナーの悪さを自覚し、精霊ラーの力を直々に直面することになったその人は、当然恐怖心にかられたのでしょう。そそくさと逃げていき二度と会場には帰ってきませんでした。
そして、精霊ラーの力を信じずにいる観衆にたいして、その長い剣をうりゃ~と、ねじったりするのです!一見子供だましにも見えるその荒業ですが、ストックの自宅すぐにあるコミュニティーのお堂に飾ってある同じ剣を後日触って見たところ、なんと!ものすごく固いちゃんとした剣なのです。すぐに「触るな!」という声に制止されてしまいましたが、その確かな硬さに精霊の真実の力みたいなものを見た気がしてはっとさせられたのでした。そんな精霊のものをむやみに触ってはいけなかったのですね。
最後、会場となったゴンパから少し外れた空き地にて、ストルマという大麦粉などをこねて作ったものに一年間の悪いもの全てを吹き込み捨てるのです。そして「キキソソラールギャロー」と言って精霊ラーを讃えます。ラーはきちんと供養したりお祈りをすることで守護神のようになってくれるのですが、それを怠ると罰を与えられるという恐ろしいものでもあります。ラダックの人々にとって、尊敬してやまないたくさんの高僧のほか、村ごとやグループごとに存在する精霊ラーをしっかりと祀ることは欠かせないことなのです。
今年のストック・グルチェシュでラバが精霊ラーに代わってどんなことを言ったのかが気になります。何か分かったらまた報告しますね。ちなみに、昨年のおことばはこちらをご参照ください。
ストック・グルチェシュ2011
このお祭りでは、チャムという僧侶による仮面舞踊ももちろんありますが、目玉は神降ろしの「ラバ」です。選ばれた二人の村人が、ラーという精霊を体内に降ろし精霊に代わってその力を見せつけたり、今年の作況やもろもろを占ったりメッセージを発するのです。また、そのラバや僧侶によって、ストックのそれまでの一年間の全ての悪いものを捨てる、つまり厄払いをする儀式が執り行われるのです。ストックをあげての最大のお祭りです。この日、村人は洋服を新調し、まるで日本のお正月のようにおめかしして出かけます。その認識の薄い私が、かりんにいつもの薄汚れた服を着せて連れて行こうとした時、なんでそんな服を着せていくのだと言われたのは当然でした・・・。私としては、みんなで服を新調したりして、なんかくすぐったいというか、いいよそこまでしなくて、みたいな気持ちになってしまうのですが、これは、ただのお祭り騒ぎではなく、身なりを整えて一年間の悪いものを捨てて再出発するという、立派な宗教行事なのでした。
昨年はワンボの叔父さんがラバの役を担っており、内心ドキドキしながら見ていました。精霊が宿っている状態の叔父に当然声もかけられず、ただただ見ておりました。今年は、その叔父はラバ役をやらなかったそうですが、また別の親戚が選ばれたとのこと。いやぁ、見たかったですねぇ。
昨年、それはそれは迫力のある動きをするラバに魅了されたのを思い出します。
写真撮影は硬く禁止されているので、絶対にカメラを向けてはいけないのですが、しつこい外国人観光客の一人が村の関係者に制止されてもなお撮り続けていたら、あげく、ラバから直々にお仕置き??をいただいたのでした。二人のラバは剣を振りかざしながらとにかく威勢よく走り回っているのですが、ずっと撮影し続けるその観光客に向かって、2階席のようになったところからその人めがけて?頭上から長い剣を振りかざしたのです。まっさかさまに地面に叩きつけられたその剣の音が響き渡り、会場がどよめきました。剣はその観光客に命中こそしなかったものの、さすがに自分のマナーの悪さを自覚し、精霊ラーの力を直々に直面することになったその人は、当然恐怖心にかられたのでしょう。そそくさと逃げていき二度と会場には帰ってきませんでした。
そして、精霊ラーの力を信じずにいる観衆にたいして、その長い剣をうりゃ~と、ねじったりするのです!一見子供だましにも見えるその荒業ですが、ストックの自宅すぐにあるコミュニティーのお堂に飾ってある同じ剣を後日触って見たところ、なんと!ものすごく固いちゃんとした剣なのです。すぐに「触るな!」という声に制止されてしまいましたが、その確かな硬さに精霊の真実の力みたいなものを見た気がしてはっとさせられたのでした。そんな精霊のものをむやみに触ってはいけなかったのですね。
最後、会場となったゴンパから少し外れた空き地にて、ストルマという大麦粉などをこねて作ったものに一年間の悪いもの全てを吹き込み捨てるのです。そして「キキソソラールギャロー」と言って精霊ラーを讃えます。ラーはきちんと供養したりお祈りをすることで守護神のようになってくれるのですが、それを怠ると罰を与えられるという恐ろしいものでもあります。ラダックの人々にとって、尊敬してやまないたくさんの高僧のほか、村ごとやグループごとに存在する精霊ラーをしっかりと祀ることは欠かせないことなのです。
今年のストック・グルチェシュでラバが精霊ラーに代わってどんなことを言ったのかが気になります。何か分かったらまた報告しますね。ちなみに、昨年のおことばはこちらをご参照ください。
ストック・グルチェシュ2011
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