2011年4月2日土曜日

ストック グルチェシュ2011 ①

「時代が変わったのではない。人が変わったのだ」
 
・・・なんて強烈な言葉だろう。

私は脳天をハンマーか何かで叩かれたような衝撃を受けた。こんなにハッとさせられた言葉は久しく聞いていなかった。

先月3月14、15日にストックで開かれた「グルチェシュ」という年に一度の祭りで、ラバと言われる神降ろしに、精霊ラーが降りてきて発せられた言葉だ。

私は発展著しいラダックを、いえ、ラダックのみならずとどまることのない日本の発展などを考えるとき、望む望まないとに関わらず、時代が変わってきてしまったとのだと考えていた。云わば、良き文化や価値観などを失ってしまったのを、時代の変化のせいにしてきたのだ。

しかし、精霊ラーは全くもって反対のことを言ったのだ。時代のせいにするな。本当はただ人が変わってしまっただけなのだ。だからこそ時代が変わったのだ。そのことを肝に銘じろ。
・・・そう言われているように私は思ってハッとしたのだった。

この解釈が正しいかはわからない。
でも、このように積極的に意味をくみ取って、時代のせいにしてあきらめて来たあらゆる悪しき変化に対して、何か動き出せるような気がする。人として、もう一度ちゃんと生きなおすことができれば、少しでもいい方に時代は動くかもしれない。何か、もう一度やり直せるようにも思えてくる。
ある意味ではこれは希望につながる戒めではないか。


毎年、精霊ラーはラバの身体に降りてきて作況などを占ったりするという。
「今年は雨が適度に降り、洪水のように多く降りすぎたりすることはない」とも言ったという。
昨年、未曾有の大洪水に襲われたラダックの人々は、これを聞いて安心したかもしれない。

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