2015年3月24日火曜日

数ヶ月ぶりに小川に水が来た!


自宅敷地内に今年はじめて入ってきた水!


娘も興奮しながらゴミを取り除きます。

まだ濁った水ですが、家々に行き渡る小川に水が入れられました!
数ヶ月ぶりに小川を流れる水を見、そして小川のせせらぎが耳に入ってくるように!なんとも春を感じることになりました。

ストック・カングリの山々からの雪解け水。本流の川では、先月2月の半ばには水の流れる音が聞こえてきて、今年は川の氷が解けるのが早いと言われていました。それもあってか、数日前に人力で本流の川から支流の小川に水を流すための作業をし、流れてきたというわけです。数日もたてば濁りもとれて、少なくとも朝早い時間ならば生活用水にも使えるようになるでしょう。

これで暮らしはだいぶ変わるというわけです。冬の今までは手押し井戸を必死に押して水をくみ上げ、それを運んでいたのですから。

気候もだいぶ春めいてきました。農業はじめ、家周辺の色々な作業をはじめられる頃になります。
柳の木々は、蕾が膨らみ赤くなっています。一ヶ月もたてば、緑が芽吹くことでしょう。やっと活動的な時間がくるというわけです。何だか胸が弾みます!


2015年3月5日木曜日

一年の悪いものを焼き捨てる儀式


2/28、ストック グルツェシュ2日目。

Oracleとお付きの人たちは、ゴンパから再びスプンルールのお堂・ラガンに来て、そこで精霊を憑依させました。ラーは勇ましい声を張り上げながら、ラガンから走ってゴンパに向かいます。

ゴンパ脇の広場中央には、すでにお供えが用意されていて、人々が集まっていました。


ラーはゴンパに来たかと思いきや、今度はストックパレスに行きます。そしてまたゴンパに戻って来るという、なかなかハードな移動。

上の写真は、小さいですが、ラーの一行が小道を歩いていパレスに向かっているところです。これら全体の移動距離、ストック村内とは言え結構傾斜もありますので、ちょっとしたトレッキングみたいなものです。Oracleもお付きの人も体力勝負ですね。

ちなみに、ストックパレスにはスプンルールのお堂にある精霊のタンカより、更に古いものがあるらしく、その関係でラーが行くそうです。

例によって、やはりラーの写真のUPは控えますが、パレスから戻ってきたラーはお供えのところに来て、すごい勢いでお供えを破壊し、人々に向かってばら撒くように投げ出しました。近くの人は、それをもらおうとしています。やはり、これをもらうと良いとされているようですね。一通り終えるとまたゴンパ内にラーと一行は戻っていきました。

その後、見ることはできませんが、Oracleは精霊を身体から抜いて素に戻ります。今度はその状態で、僧侶たちと共にOracle一行が広場に戻り、用意されていたストルマを焼き捨てる儀式が行われました。



素に戻ったOracleは顔を布で覆いながら、ストルマを焼く儀式を見守っています。ここからは僧侶たちの仕事です。大切なお祈りが捧げられます。そしてストルマに矢を放つ僧侶の姿。この年長の僧侶はうちの親戚のお爺さん。

そして用意された蒔きに火がつけられ、いよいよストルマが火の中に投げ入れられました。更に、日本の藁人形みたいなものが二つ、火に投げ入れられました。火の勢いが強すぎて一瞬ヒヤっとしましたが、これで無事に全ての悪いものが焼き捨てられ、一年間の悪いものが無くなったことになります。そして、新しい一年を迎えるのです。









2015年3月3日火曜日

ストック グルツェシュ 2015


2/27、初日。
チャムと言われる仮面舞踊が行われました。ストックゴンパは超満員!


僧侶がこんな仮面を被って舞います。ストックゴンパは、常にいる僧侶は少ないですが、ゲルク派であり、連携している総本山のスピトゥク、レーのサンカール、サブーから僧侶が来ます。

この他、ストックグルツェシュの見所はやはり降りてきた精霊ラーが、そのパワーを皆の前で強く示し、神託を告げることです。憑依したラーはものすごく怖い存在として恐れられていて、ラーが近づいてくると、手を合わせて頭を下げ、まるで高僧にしてもらうように、剣などで少し触れるようにすることで、祝福を得ようとします。

本来、ラーの撮影は禁止されています。禁止どころか、今年も、知らずに撮影してしまった外国人観光客に対し、ラーは持っていた剣でカメラを一撃。見事に壊れてしまったそうです。もちろん、場合によっては、知っていても撮影しようとした外国人観光客に今にも襲うかのように威嚇し、あまりの勢いに観光客は恐れをなして逃げていったこともあります。つまり、ラー自身が撮影することを許さないのです。

それでも、撮影した人は過去にもいたし、今年もモバイルにてそおっ〜と撮っている人もポツポツいました。ストックでは、ラー自身が撮影を許さずに怒りを露わにしますが、隣のマト/マショ村のマト ナグランでの場合は、監視役である村人こそとても厳しく撮影を禁止しますので、ストックのそれは若干、ゆるい?と言えるのかもしれません。

そんな中、私たちも少々は撮影しました。ただ、ネット上でのUPはやはり控えることにしたいと思います。

初日、Oracleは精霊ラーをゴンパにて憑依させます。一枚目の写真のように超満員のゴンパ内にものすごい勢いのラーが現れるんです。二階部分となるテラスの細い淵を走り回り、人々に剣を向け、はたまた三階か四階部分の屋上にまで行き、大きな声を張り上げます。剣を振りかざし、力を見せつける精霊ラー。人々は恐れながらもラーを見届けます。

ラーは、捧げられただろうラダックの主食・ペーという麦こがしの粉を勢いよく飛ばしてしまいました。さらにはチャングという麦酒をも宙にまいてしまいました。見ている方は強い怒りを感じます。今年はどんな神託を告げるのでしょうか…。

ちなみに、村人がラー(LHA)と呼んでいる精霊、それを憑依させる役目をする人をOracleと言いますが、日本語にすると神官や巫女と出てきます。ですが、文化背景が違うので日本の神道のそれと重ねられないので、ここではOracleのまま使うことにします。ただ、村人たちの表現を聞いていると、Oracleらしいラダック語は用いておらず、全てラーと言っていますので、私も基本的にはラーを使っています。