ラダックの秋、観光だけにとどまらない、自分たちの「暮らし」を見つめ直すチャンスとなる10月開催のツアーを紹介させていただきます。
「懐かしい未来」の著者、ヘレナ・ノーバーグホッジさんが作った2作目のドキュメンタリー「幸せの経済学」を日本で配給しているユナイテッド・ピープル社によるツアーです。このツアーを私たちもストックでお手伝いさせて頂きます。
「幸せの経済学」の舞台、ラダックの変化を肌で感じる7日間ツアー
このドキュメンタリーをもうご覧になったでしょうか?正直、私はまだダイジェスト版しか見れていません。多くの反響があり各地で上映されているようですね。
グローバリゼーションではなく、今こそローカリゼーションだというこのメッセージを上手に受け止めて、自分の暮らしを今一度見直したり作り直していくということはきっと大切なことでしょう。私もわざわざラダックに移り住んでここでの暮らしを学んで実践しているのも、そういう「暮らし」をしっかり作っていくためでもあります。
ここラダックで現在起きている発展やそれに伴う変化は、確かに旅行者の方でも見て取れるほど分かりやすく起きているとも言うことができます。その深刻さをここに住みながら感じずにはいられないのも事実です。ただ、私のような文明に依存した生活を営んでいる日本人からすれば、その発展めざましいラダックの今を見ても、まだまだ伝統的な暮らしや知恵や人々の生き様から学ぶべきことは多いと思っています。
しかし、日本が、日本人が歩んできたのと同じように、新しいものを取り入れる過程で多くの伝統的なものを捨ててきているラダックを見て、確かにいや、もっとこれは大事にしたほうがいいとか、いや、これは捨ててはいけない文化だ、などと思ってしまうし、また言うことは簡単なのですが、物事はそんなに単純ではないことも同時に感じずにはいられません。非常に複雑にさまざまなことが絡み合ってこの事態は起きているのだと思います。
私はラダックを一方的に美化するつもりはありません。しかし、今まさに伝統的なその暮らしを失いつつあると言って、まるでラダックをグローバリゼーションにさらされた悪いケースだと位置づけもしていません。この状況はまさに日本の数十年前であり、世界中のどこでも起きてきた、または進行形で起きていることだと思っています。誰でもどこでも、本来の文化を失って行く中で、自分のアイデンティティーをどうやって確保するのか、どうやって形成していくのか、そういったことに関わる悩みを抱えているのだと思います。
もし、ここで起きていることに少しの時間でも寄り添うことができ、そして日本人として自分の経験をもってラダックの人々に伝えられることがあるのなら、どうか言葉にして伝えてあげてほしいと思いますし、日本人もラダッキーも、それぞれの場所でどうしたらよりよく暮らしていけるのかを考える、前向きな時間となることを願っています。