2010年8月15日日曜日

ラダック洪水被害レポート4 in シェイ村 被災者キャンプ

         他のグループからの支援食料

         家屋が全崩壊した男性。状況を聞いているメンバー 。

         主要道路にも大量の土砂が埋め尽くしている

         以下は、洪水発生から三日後の様子

         

         三日後はまだかなり水が流れてきている



8/15 フィールドワーク in レー近郊 シェイ村 被災者キャンプ

シェイにあるドゥルク・パドマ・カルポと言う学校があるのだが、ここはインド映画俳優のアミールカーンが以前映画の撮影をしたため、ある種観光地化していて有名だった。そこにこの洪水が起きてしまい学校も被害にあった。アミール・カーンは復興のために資金を出すと宣言し、実際に洪水後、視察にも訪れたという。その校舎も床上浸水というか半分くらいは土砂が入り込んでしまった。校門も半分くらいうまった状態だ。(上の写真)

日も暮れ始めた夜7時。やはり川があったところをはじめ、それ以外の場所にも水と土砂が押し寄せてきて、トータルで30軒の家が被害にあい、家の中まで大量の土砂が入ってきた。そのうち3軒は完全に家も畑も流されてしまい、被災者用キャンプにて生活していた。キャンプ地は家があった場所よりもかなり奥の山のふもとにも置けられており、再び雨が降っても水が襲い掛かってこないような場所が選ばれている。とはいえ、利便性から言えば便利とは言えず、車での移動が必須となる。

《インタビュー》

●家屋が完全に崩壊した3家族のうちの一家族 屋号;シャンクー 父;ソーナム・アンチュック
洪水時はどうにか逃げて助かったとのこと。6人家族に死者こそなかったが、完全に家と畑が流された。建材に使ったりするポプラなどの樹木を育てていたが、そんな小さな命もすべて流されてしまった。家畜の牛は与える餌となる雑草類もすべて土砂の下になってしまった為、親戚にあげてしまった。あげてしまったのかと尋ねると、初冬の頃になれば与える草もなくなるので、その頃には戻されるだろうとのこと。9月にもなれば寒さも増してくるので、キャンプ生活は厳しくなるだろう。完全に崩壊した家の代わりにせめて2部屋でいいから家を建て冬に備えたい。政府も住居再建の援助をすると発表しているが、冬がくるまでに得るのは難しいだろう。そこをどうしたらいいのか途方にくれている。
NGOの支援で住居の支援ができるか早急に検討しなければならない。小さな家でも建設には最低でも一ヶ月はかかる。本当にアバウトではあるが、二部屋の家の予算は20万ルピー(40万円)ほどにもなる。また、あまり家屋に被害がなくても再び洪水になるのを恐れてキャンプに身を寄せている人々がいて、その人たちも支援を受けているという現状があるとのこと。非常に難しい問題だが、やはり支援を本当に得なければならない人に支援をする際の判断や調査が重要だと再確認した。

●家屋に土砂が押し寄せてきた家族の父
キャンプでは3家族にひとつのテントと非常に手狭だ。LBA(ラダック仏教協会)が緊急支援食料を持ってきたが、ビスケットやインスタントラーメンといった種のもので、量も30人分だというがそれにしては少ない。これには不満を覚えているとのこと。だんだんエキサイトしてきたこの男性は、少し声を荒げてさらに続けた。野菜も持ってはきたが、鮮度も悪く食べられない。にもかかわらず、LBAはこんな形で支援していると連れてきた人に見せたりもしているという。政府からの配給制度である程度の食料はもらえるから、金銭的な支援が一番ありがたいと思っているとのこと。現金があれば大量の土砂を除去するのに人がやとえるとのこと。また、シェーの村で被害にあった30軒の家が均等に支援を受けるべきだと主張していた。事実、完全崩壊した3軒以外でも時間が経つにつれ土でできているラダックの家屋は水が浸透して徐々に壊れかけているとのこと。非常に難しい部分ではあるが、家屋の状態を見極め、更に被害状況に優先順位もつけなければ、NGOからの弱小支援は正しく使いきれないだろう。私たちも彼を説得し、気持ちは分かるが、状況を見極めて優先順位はつけざるを得ないことを伝えた。このような状況は少なからずどこでも起きていて、被災者同士の関係性が悪くなっているケースもあるようだ。

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